口腔外科
- 大学病院や専門病院での口腔外科臨床研修を一定期間修了すること。
- 口腔外科に関する十分な知識と経験を有し、学会が定める症例数を経験すること。
- 筆記試験、口頭試問、症例発表などの厳しい審査に合格すること。

お口の中のトラブルは、むし歯や歯周病だけではありません。
痛みや不快感、見た目の問題など、様々な症状が日常生活に大きな影響を与えることがあります。
口腔外科は、歯だけでなく、顎の骨、粘膜、唾液腺、顎関節、神経、血管など、お口全体を総合的に診る診療科です。
外科と聞くと「大がかりな手術をされるのでは…」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には日帰りで行える比較的負担の少ない処置も多く、早期発見・早期治療が何より大切です。
長久手フラワー歯科では、日本口腔外科学会認定医が在籍し、お口の外科的な処置が必要な症状にも専門的に対応しています。
患者さまの不安や痛みにしっかり寄り添いながら、安心して治療を受けていただける体制を整えております。
日本口腔外科学会認定医のいる歯科医院:当院の強み

長久手フラワー歯科口腔外科・矯正歯科の院長は、日本口腔外科学会認定医です。
この資格は、口腔外科分野において、豊富な知識と経験、そして高度な技術を持つ歯科医師にのみ与えられる、厳しい審査を通過した証です。
口腔外科認定医とは?
日本口腔外科学会認定医になるためには、以下の厳しい条件を満たす必要があります。
口腔外科認定医は、口腔外科領域の専門家として、確かな知識と技術を持っていることを公的に認められた歯科医師なのです。
口腔外科認定医がいる当院だからこそできること
正確な診断
症状が似ていても、原因や治療法が全く異なるデキモノや疾患が多く存在します。
口腔外科認定医は、詳細な問診と視診・触診に加え、レントゲン、CT(最高位機種)といった画像診断を適切に組み合わせ、正確な診断へと導きます。
安全で確実な外科手術
口腔外科領域の外科手術は、顎の骨、神経、血管、粘膜など、複雑な構造が集中する場所で行われます。
口腔外科認定医は、これらの解剖学的知識に精通し、合併症のリスクを最小限に抑えながら、安全かつ精密な手術を行うことができます。
多様な治療選択肢
薬物療法から外科的切除、再生療法まで、幅広い治療選択肢の中から、患者様のお口の状態とご希望に合わせた最適な治療計画をご提案できます。
全身管理への対応
高血圧や糖尿病などの全身疾患をお持ちの患者様の治療では、細心の注意が必要です。
口腔外科認定医は、全身疾患と口腔疾患の関連性を理解し、医科との連携も視野に入れた安全な治療を提供します。
高次医療機関との連携
より専門的な治療や入院が必要な難症例の場合、連携している大学病院や総合病院の口腔外科へスムーズにご紹介し、連携を取りながら治療を進めることができます。
長久手フラワー歯科口腔外科・矯正歯科が対応する主な口腔外科治療
当院では、多岐にわたる口腔外科疾患に対応しています。
ここでは、特に多くご相談いただく治療についてご紹介します。
親知らずの抜歯:痛みやトラブルを未然に防ぐ

親知らず(智歯)は、一番奥に生えてくる永久歯で、現代人の顎にはスペースが足りず、正常に生えないことが多々あります。
傾いて生えたり、歯茎に埋まったままになったりすることで、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
当院の親知らず抜歯の特徴
精密な診断
デジタルレントゲンに加え、最高位機種の歯科用CTを用いて、親知らずの生え方、歯根の形態、神経や血管との位置関係を三次元的に正確に把握します。
これにより、リスクを最小限に抑えた安全な抜歯計画を立てることができます。
痛みに配慮した麻酔
表面麻酔、極細針、電動麻酔器の使用、麻酔液の温度管理など、患者様の痛みと不安を最小限に抑える麻酔を行います。
ご希望に応じて、静脈内鎮静法(自費治療)もご選択いただけます。
徹底した感染対策
清潔な環境下で、滅菌された器具を使用し、感染リスクを徹底的に管理します。
術後のフォロー
抜歯後の腫れや痛みを抑えるための処置や投薬、注意事項などを丁寧にご説明し、治癒までしっかりサポートします。
歯根端切除術:歯の根の先の病巣を外科的に除去し、歯を温存

通常の根管治療(歯の神経の治療)を何度か行っても、歯の根の先に膿が溜まったり、炎症が治まらなかったりする場合があります。
そのような状況では、「抜歯しかない」と告げられることがありますが、当院では諦める前に「歯根端切除術」を検討します。
歯根端切除術は、歯茎を切開し、顎の骨の一部を取り除いて、歯の根の先端にある病巣(膿の袋など)と、感染している根の先端部分を外科的に切除する治療法です。
根管治療だけでは到達できない、あるいは治療が困難な感染源を取り除くことで、歯を抜かずに保存することを目指します。
口腔外科認定医による精密な手術
歯根端切除術は、顎の骨を削り、神経や血管が集中する部位での精密な操作を伴うため、口腔外科の専門知識と高い外科的技術が求められます。
当院の院長は、この分野の専門家であり、CT画像診断に基づいた安全な手術を提供します。
MTAセメントとの併用
切除した根の先端には、感染の再発を防ぐために、MTAセメントなどの生体親和性の高い材料で逆根管充填(根の先端から封鎖する処置)を行うことが多く、これにより治療の成功率を高めます。
自家歯牙移植:ご自身の歯で失った歯を補う

むし歯や歯周病、事故などによって歯を失ってしまった場合、「抜歯しかない」と言われることがあります。
しかし、ご自身の親知らずや、機能していない歯がある場合、その歯を失った部分に移植し、失われた歯の機能を回復させる治療法が「自家歯牙移植」です。
自家歯牙移植は、むし歯や歯周病などで失われた歯の場所に、ご自身の別の歯(主に親知らずなど、噛み合わせに関与しない歯)を抜いて移植し、機能回復を目指す治療法です。
適応条件としては、移植する歯(ドナー歯)と、移植先の骨の状態(レシピエント部位)が良好であることが条件となり、移植後には根管治療が必要となります。
移植された歯は、周囲の骨と結合し、最終的には自分の歯として機能します。
天然歯としての機能と感覚
自分の歯であるため、噛む感覚や力の伝わり方が自然で、審美性にも優れています。
歯周組織との結合
歯根膜(歯と骨をつなぐ組織)が存在するため、周囲の骨とより自然に結合し、インプラントよりも歯周病への抵抗力が高いとされています。
インプラントを避けたい場合に有効
インプラント手術に抵抗がある方や、全身疾患などの理由でインプラントが難しい方にとって有効な選択肢となります。
顎関節症:顎の痛みや口の開けにくさを改善

「口を開けると顎が痛む」
「カクカク音がする」
「口が大きく開かない」
「朝起きたら顎がだるい」
顎関節症は、顎の関節やその周囲の筋肉に問題が生じることで起こる病気です。
当院ではまず、問診、触診、画像診断(レントゲン、CT)などを用いて、顎関節や周囲の筋肉の状態、噛み合わせの問題を詳細に評価します。
その後、スプリント療法(マウスピース)や薬物療法、マニュピレーション(顎の関節円板を正しい位置に戻す手技)、生活習慣の改善指導など、さまざまな治療法を組み合わせながら症状の改善を計っていきます。
顎関節症の主な症状
顎の痛み
口を開閉する時や食事の時に、顎の関節や周囲の筋肉に痛みを感じる。
顎の音
口を開閉する際に、「カクカク」「ジャリジャリ」といった音がする。
開口障害
口が大きく開けられない、あるいは口の開閉がスムーズでない。
その他の症状
頭痛、肩こり、めまい、耳鳴りなどを伴うこともあります。
お口の中のデキモノ:不安を解消し、早期発見・早期治療へ

ある日突然、舌や頬の内側、歯茎などに「デキモノ」を見つけて不安になる方は少なくありません。
口の中にできるデキモノの多くは良性のものですが、中には放置すると悪化する可能性のあるものや、まれに悪性(がん)のサインである場合もございます。
デキモノの種類、原因、良性・悪性の鑑別には、口腔外科の専門知識と経験が不可欠です。視診、触診、画像診断に加え、必要に応じて病理検査(生検)を行います。
特に口腔がんは、早期に発見し、適切な治療を受ければ予後が良いとされています。
少しでも気になるデキモノがあれば、痛みがない場合でも、お一人で抱え込まず、早めに受診してください。
主なデキモノの種類
口内炎(アフタ性口内炎など)
最も一般的で、多くは1~2週間で自然治癒します。
粘液嚢胞
唇や頬にできる水ぶくれのようなもの。唾液腺の出口が詰まることが原因です。
乳頭腫等の良性腫瘍
ウイルス感染や組織の増殖による良性の腫瘍。
歯肉の腫れ・増殖
歯周病や刺激によって歯茎が腫れたり、部分的に盛り上がったりするもの(エプーリス、薬剤性歯肉増殖など)。
白板症(はくばんしょう)
口腔粘膜にできる、こすっても剥がれない白い板状の病変。前がん病変の可能性があります。
紅板症(こうばんしょう)
口腔粘膜にできる、鮮やかな赤い斑点状の病変。悪性化しやすい前がん病変の一つです。
口腔がん
舌、歯茎、頬の粘膜などにできる悪性腫瘍。初期は口内炎と見分けがつかないこともあり、2週間以上治らない場合は特に注意が必要です。
お口の外傷(外傷):ケガによる口腔内のトラブルに対応

転倒、スポーツ中の事故、交通事故などによって、お口の中や顔面にケガを負うことがあります。
歯が折れた、抜けた、顎をぶつけた、口の中が切れたなど、様々な状況に対応します。
お口の怪我をした場合、まずは骨折の有無や程度を正確に診断するため、CTを用いた画像診断を行います。
その後、歯の再植(抜け落ちた歯を元に戻す処置)、歯の固定、口腔内の裂傷の縫合、顎の骨折の整復など、口腔外科の専門的な知識と技術を要する処置を行います。
外傷は時間との勝負となる場合があります。迅速に状況を判断し、適切な初期処置を行います。
対応する外傷の種類
歯の破折・脱臼
歯が折れたり、グラグラしたり、完全に抜け落ちたりした場合。
歯槽骨骨折
歯が埋まっている顎の骨が折れた場合。
顎骨骨折
上顎や下顎の骨が折れた場合。
口唇・舌・頬粘膜の裂傷
お口の中が切れて出血している場合。
顔面軟組織損傷
頬や顎などの顔面組織の打撲や裂傷。
インプラント治療:失われた歯の機能を回復する新しい選択肢

インプラント治療は、むし歯や歯周病、事故などによって失ってしまった歯の代わりに、顎の骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着することで、天然の歯に近い機能と見た目を回復させる治療法です。
当院では、CT画像を用いて顎の骨の量や質、神経や血管の位置などを三次元的に正確に把握し、コンピューター上でインプラントの埋入位置や角度を事前にシミュレーションすることで、安全かつ最適な治療計画を立てます。
また、顎の骨の量が不足している場合でも、自家骨移植や人工骨移植といった骨造成術を行うことで、インプラント治療が可能になる場合があります。口腔外科認定医である院長が、これらの高度な術式にも対応します。
インプラントのメリット
天然歯に近い噛み心地
顎の骨にしっかりと固定されるため、自分の歯のようにしっかりと噛むことができます。
審美性に優れる
自然な見た目を再現でき、人前でも自信を持って笑えます。
周囲の歯への負担が少ない
ブリッジのように隣の歯を削る必要がなく、入れ歯のようにバネをかける必要がないため、残っている健康な歯を傷つけません。
顎の骨の吸収抑制
インプラントが顎の骨に刺激を与えるため、骨の吸収(痩せること)を抑制する効果が期待できます。
専門的な治療も、安心して相談できる歯科医院でありたい

口腔外科の分野では、患者さまが抱える不安はとても大きいものです。
「手術が怖い」
「本当に治るのか分からない」
「痛みが続いてつらい」
そうしたお気持ちに寄り添い、一人ひとりに合わせた丁寧な治療と説明を心がけています。
不必要な処置は行いません。
逆に、必要な検査や処置がある場合は、できるだけ早期に、最小限の負担で治療が完了できるようご提案いたします。
長久手市・日進市・名古屋東部など地域の皆さまの「お口のかかりつけ外科医」として、質の高い医療を提供し続けてまいります。