歯周病治療

「歯茎から血が出る」
「口臭が気になる」
「歯がグラグラする気がする」
「以前より歯が長くなったように感じる」
これらの症状、もしかしたら歯周病が原因かもしれません。
歯周病は、適切な診断と治療、そして日々のケアを継続することで、進行を食い止め、改善することが十分に可能です。
長久手フラワー歯科口腔外科・矯正歯科では、歯周病治療に特に力を入れています。
「もう手遅れかもしれない…」と諦める前に、ぜひ一度、長久手フラワー歯科口腔外科・矯正歯科にご相談ください。
歯周病の精密検査と診断:見えない敵を特定する
歯周病の治療は、正確な診断から始まります。
当院では、患者様一人ひとりの歯周病の状態を詳細に把握するために、様々な精密検査を行っています。
位相差顕微鏡による細菌チェック

お口の中に存在する歯周病菌の種類や活動性を、その場で患者様ご自身にも見て確認していただく検査です。
歯周ポケットから採取したプラークを、その場で位相差顕微鏡で拡大して観察します。
患者様ご自身が、ご自身のお口の中に潜む歯周病菌の姿を実際に目で見ていただくことで、歯周病が「細菌感染症」であることを実感し、治療へのモチベーションを高めることができます。
当院では、35歳以上の患者様には自覚症状の有無にかかわらず位相差顕微鏡による細菌チェックを推奨しております。
これは、30代半ばから歯周病の罹患率が急増し、進行しているケースが多いという統計に基づいています。
この検査は保険診療で行いますので、費用のご心配なく受けていただけます。
位相差顕微鏡で解ること
歯周病菌の存在と種類
口腔内にどのような種類の歯周病菌が多く生息しているかを確認できます。
歯周病菌には、動き回る「スピロヘータ」や「運動性桿菌」など、様々な種類があります。
細菌の活動性
細菌が活発に動き回っている様子や、白血球(体の免疫細胞)との関連なども観察でき、歯周病の活動性や炎症の度合いを視覚的に把握できます。
カビ菌の有無
歯周病の原因となる細菌だけでなく、お口の中のカンジダ菌(カビ菌)の有無も確認できます。
リアルタイムPCR検査(自費):特定の歯周病菌を「高精度」で特定

より精密な歯周病のリスク分析をご希望の方には、「リアルタイムPCR検査」も行っています。
これは、特定の歯周病菌のDNAを高感度で検出する、遺伝子レベルでの検査です。
通常の歯周病検査では分からない、より詳細な細菌情報を得ることができます。
特に、難治性の歯周病や、治療をしてもなかなか改善しない場合に、治療方針を決定する上で非常に役立ちます。
特定の悪性菌が高い数値で検出された場合、抗菌療法(内服薬)の併用など、より踏み込んだ治療を検討することが可能になります。
検出できる菌の例
悪性の歯周病菌として知られる「レッドコンプレックス」(P.g菌、T.f菌、T.d菌など)と呼ばれる菌群の有無や量を測定できます。
これらの菌は、歯周病の進行だけでなく、全身疾患(糖尿病、心臓病など)との関連も指摘されています。
レッドコンプレックスとは

レッドコンプレックスとは、歯周病を悪化させる特に病原性の強い3種類の細菌の総称です。
この名称は、1990年代にアメリカの歯周病学者ソクラテス教授(Socranskyら)が、歯周病菌の種類と重症度の関係を研究した際に、重度の歯周病に共通して存在する3つの細菌を「赤いグループ(Red Complex)」として分類したことから来ています。
レッドコンプレックスを構成する3つの歯周病菌
以下の3つが、レッドコンプレックスの主な細菌です
ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)
最も代表的な歯周病菌。
歯ぐきの組織を破壊し、炎症を引き起こす毒素(プロテアーゼ)を出します。
口臭の原因にも深く関与します。
トレポネーマ・デンティコーラ(Treponema denticola)
スピロヘータという、らせん状の細菌。
運動能力が高く、歯ぐきの奥深くに入り込んで炎症を悪化させます。
神経組織や結合組織にも影響を与える強い病原性があります。
タネレラ・フォーサイセンシス(Tannerella forsythia)
比較的新しく発見された菌で、慢性的な炎症を促進します。
他の歯周病菌と連携して毒性を強める特徴があります。
レッドコンプレックスがいると、なぜ危険なのか?

レッドコンプレックスが存在するお口の中では、以下のようなリスクが高まります
歯ぐきが強く腫れ、出血しやすくなる
歯を支える骨(歯槽骨)がどんどん吸収されていく
最終的に歯が自然に抜けてしまう
全身疾患(糖尿病、心臓病、早産など)のリスクが高くなる
さらに恐ろしいのは、痛みが少ないまま進行することが多い点です。
気づいたときには「手遅れ」になっているケースも珍しくありません。
レッドコンプレックスが見つかったら、専門的な治療とケアが必要です
レッドコンプレックス菌が検出された場合は、通常の歯石除去だけでは不十分です。
当院では以下のようなアプローチで治療を行います。
歯周基本治療(徹底したプラークコントロール、スケーリング)
抗菌療法(必要に応じて薬剤の使用)
歯周外科処置(進行が著しい部位の対応)
定期的な再検査による菌数のモニタリング
また、生活習慣やセルフケアのアドバイスも行い、再発を防ぐ体制を整えます。
当院の歯周病治療の特徴:多角的アプローチで根本から治す
長久手フラワー歯科口腔外科・矯正歯科では、歯周病の進行度合いや患者様のお口の状態、ライフスタイルに合わせて、多角的なアプローチで歯周病治療を行います。
歯周内科:薬で歯周病菌をターゲット

歯周病は、細菌感染症です。歯周内科は、お口の中に潜む歯周病菌を特定し、それに対して薬(抗生物質など)を服用することで、細菌の数を減らし、歯周病を体の内側から治療していくアプローチです。
歯周内科治療を行う前に、まず位相差顕微鏡や必要に応じてリアルタイムPCRを用いて、患者様のお口の中にどのような種類の歯周病菌が、どれくらいの量存在しているかを詳細に調べます。
その後、特定された歯周病菌の種類や活動性に応じて、適切な抗生物質を選択します。
特に、歯周病の初期段階や、急性炎症を伴う場合、当院ではジスロマック(アジスロマイシン)やサワシリン(アモキシシリン)といった抗生物質を積極的に活用することがあります。
また、心臓病などの持病をお持ちの方には、菌血症を予防するために、治療前に適切な抗生物質を服用していただくことがあります。
メリット
外科的な処置なしで、歯周病菌を減少させることができる。
比較的短期間で炎症を抑え、症状を改善できる場合がある。
歯周病の根本原因である細菌にアプローチできる。
注意点
薬の服用だけでは歯周病は完治しません。ブラッシング指導や歯石除去など、他の治療と組み合わせることが必須です。
また、抗生物質の使用には副作用のリスクや耐性菌の問題があるため、歯科医師の指示に従い、適切な量を服用することが重要です。
歯周再生のための外科:失われた組織を取り戻す

歯周病が進行し、歯を支える骨が大きく失われてしまった場合でも、当院では歯周再生療法という高度な外科治療で、失われた歯周組織(骨や歯根膜)を回復させることを目指します。
これは、従来の歯周外科治療では難しかった、「歯周組織の回復」を可能にする画期的な治療法です。
歯周再生の治療は、歯周病によって破壊された歯周組織を、GTR法(組織誘導再生法)やエムドゲイン®ゲル、リグロス®といった再生誘導材料、あるいは自家骨や人工骨の移植などを活用して、再生を促す外科的な処置です。
院長は口腔外科の専門家として、歯周再生療法を含む歯周外科治療に豊富な経験を持っています。患者様のお口の状態や骨の欠損状況を精密に診断し、最も適切な再生療法を選択・実施します。
メリット
失われた歯周組織を回復させることで、歯のグラつきを抑え、歯の寿命を延ばすことができる。
歯周ポケットを浅くし、セルフケアがしやすい環境を整えることができる。
審美性の改善につながる場合もある。
当院で行っている歯周病治療:包括的なアプローチ
長久手フラワー歯科口腔外科・矯正歯科では、歯周病の進行度合いや患者様のお口の状態に合わせた、きめ細やかな治療を提供しています。
ブラッシング指導:基本中の基本、効果的なセルフケア

歯周病治療の最も基本であり、最も重要なのが、患者様ご自身による日々のブラッシング(歯磨き)です。
どんなに歯科医院で専門的な治療を受けても、毎日の歯磨きがおろそかでは、歯周病の改善は望めません。
患者様一人ひとりの歯並びや歯磨きの癖、歯周病の状態に合わせて、適切な歯ブラシの選択、正しい歯磨きの方法(歯ブラシの当て方、動かし方)、デンタルフロスや歯間ブラシの選び方と使い方を、時間をかけて丁寧に指導いたします。
スケーリング&ルートプレーニング(SRP):歯石の徹底除去

歯周病の原因となる歯垢(プラーク)や歯石は、歯磨きだけでは完全に除去できません。
そこで、歯科医院での専門的な処置が必要となります。
歯周ポケットの深さによっては、麻酔をしてからSRPを行うことで、痛みなく治療を受けていただけます。
これらの処置は、歯周病治療の土台となる非常に重要な治療です。
スケーリング
歯の表面や歯周ポケットの浅い部分に付着した歯垢や歯石を、超音波スケーラーやハンドスケーラーと呼ばれる専用の器具を使って除去する処置です。
ルートプレーニング(SRP)
歯周ポケットの深い部分(歯周病が進行している場合)に付着した歯石や、歯根の表面に付着した細菌に汚染されたセメント質を除去し、歯根の表面を滑らかにする処置です。
歯根面を滑らかにすることで、細菌が付着しにくくなり、歯茎が再び歯根に密着しやすくなります。
歯周外科治療(フラップ手術):深い歯周ポケットの改善

歯周ポケットが深く、スケーリングやルートプレーニングだけでは歯石や感染源を完全に除去できない場合や、歯周病が進行して歯を支える骨の形がいびつになってしまった場合に行われる外科的治療です。
歯茎を一時的に切開して剥がし、歯根の表面や骨の形を目で見て直接確認できる状態にします。
その後、深い部分の歯石や病的な組織を徹底的に除去し、骨の形を整えます。最後に歯茎を元の位置に戻して縫合します。
院長は口腔外科の専門家として、フラップ手術に豊富な経験を持っています。患者様の負担を最小限に抑え、安全かつ確実な手術を行います。
メリット
深い歯周ポケット内の細菌や歯石を確実に除去できる。
骨の形を整えることで、術後の歯周ポケットを浅くし、プラークコントロールを容易にする。
歯周組織の再生療法と併用することで、より効果的な治療が可能になる。
再生療法:失われた歯周組織を取り戻す

歯周病によって失われた歯周組織(歯を支える骨、歯根膜、セメント質など)を、本来の状態に近づけることを目指す高度な外科的治療です。
これらの再生療法は、骨の欠損の状態や種類によって適応が異なります。
当院では、歯科用CTによる精密診断で骨の欠損状態を正確に評価し、患者様に最適な再生療法をご提案いたします。
GTR法(組織誘導再生法)
歯周ポケット内の骨の欠損部分に、特殊な膜(メンブレン)を挿入することで、周囲の歯茎の細胞が骨の欠損部に入り込むのを防ぎ、歯周組織を構成する細胞(骨芽細胞、歯根膜細胞など)が優先的に増殖して、失われた組織を再生させる方法です。
エムドゲイン®ゲル
歯の発生過程で重要な役割を果たすタンパク質の一種(エナメルタンパク質誘導体)を主成分とするゲル状の薬剤です。
歯根の表面に塗布することで、歯周組織の再生を促します。
リグロス®
日本で開発された歯周組織再生誘導材料で、成長因子(FGF-2)を主成分としています。
骨や歯根膜の細胞を増殖させ、失われた歯周組織の再生を促進します。
自家骨移植:自身の骨で再生を促す
歯周病によって骨が大きく失われた場合に、患者様ご自身の他の部分(例えば、親知らずを抜いた部分など)から採取した骨を、骨の欠損部分に移植して、骨の再生を促す治療です。
患者様ご自身の骨であるため、拒絶反応のリスクが非常に低く、骨の生着率が高いのが特徴です。
口腔外科の専門知識と技術を活かし、安全かつ効率的な自家骨の採取と移植を行います。
人工骨移植:安定した材料で骨の再生を促す
自家骨の採取が難しい場合や、広い範囲の骨欠損がある場合に、人工的に作られた骨補填材を骨の欠損部分に移植して、骨の再生を促す治療です。
自家骨の採取が不要であるため、患者様の負担が少ないのが特徴です。
歯周病治療に最適な人工骨補填材を選定し、適切な方法で移植を行うことで、骨の再生を効果的に促します。